彼はもういない。「キースヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜」

1980年代のニューヨークにおける伝説的なアートシーンの先駆者、キース・ヘリングの未公開インタビューで構成されたドキュメンタリー。31歳の若さでこの世を去ったキースの波乱万丈の人生を、本人のインタビューを中心に紐解いている。

2021-06-18

サカイシ ヤスシ

アートディレクター。甘い物とコメディ映画が大好き。モーション・グラフィックと3Dモデリングを勉強中!

学生時代のキース少年!

幼少時代を語るキース自身から物語は始まります。内気だった彼を気遣っている母親、中学からメガネをかけていることなど、ごくありふれた少年の一面が。実は長男で下には妹が3人いたことも初めて知ったりして。

ペンシルバニアの平凡な田舎町で育った彼がなぜ有名なアーティストになったのか? ノートに「絵を売って、お金を稼ぐ」と書いているように、自分の創作活動にとても自覚的であったことは間違いない。自作の壁新聞を張って回っていたというエピソードも興味深いです。

魅惑のニューヨーク!

キリスト教の要素を持つ、ジーザス・ムーブメントというヒッピー運動に参加しつつマリファナ→ドラッグに目覚め、その影響があったかなかったか、とにかくキースの才能は爆発していく(そのころのドローイングも!)。

1978年、スクール・オブ・ビジュアルアーツに入学した頃のニューヨークは、治安が激悪なことを除けばアート・カルチャーの最先端の街。その頃の空気も垣間見れるし、ヒップホップ・カルチャーとキースの才能が出会う空気感も興奮しちゃう。やっぱNY最高!

「両端に火のついたロウソクでありたい」

バリバリと作品を世に送り出し、躍進する中で、キースの周りにエイズが暗い影を落としていく(当時はエイズ患者を恐れて診察さえしない医者もいたらしい)。

エイズを患ってからの作品は啓発と意識向上を訴えたものなっていくわけですが、最後までたくさんの仕事をし、多くのの作品を世に送り出した活動を垣間見ることができます。

病気が明らかになってもドラッグをやめず、まわりに「野菜ジュースにしろ!」 と言われてもコーラを飲んで壁画を踊るように描いていたキース。「僕は両端に火のついたロウソクでありたい」と語っていたそうです。。

生涯で1万点以上の作品を生み出したキース・ヘリング。最高にクールだぜ!

キース・ヘリング~ストリート・アート・ボーイ~
原題:Keith Haring: Street Art Boy
2020年/イギリス
監督:ベン・アンソニー
撮影:ベン・アンソニー
編集:ポール・バン・ダイク

アートディレクター。甘い物とコメディ映画が大好き。モーション・グラフィックと3Dモデリングを勉強中!

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