残ったモノが真実 「ビッグフィッシュ」

異才ティム・バートン監督がダニエル・ウォレスのベストセラー小説を映画化。原作に登場する奇妙な要素をうまく組み替え、ビジュアル的に楽しめるストーリーに。若き日の父親役のユアン・マクレガーは前向きな主人公像を好演。

2021-03-11

サカイシ ヤスシ

アートディレクター。甘い物とコメディ映画が大好き。モーション・グラフィックと3Dモデリングを勉強中!

<STORY>
父エドワードの看病をするために実家に戻ったウィル。父はウィルが小さいころから自分の人生をおとぎ話のように語っており、ウィルは年を取るにつれて話を信じなくなっていた。しかし、悪くなっていた親子の関係は看病を通して時間を過ごすうちに少しずつ変化していく…。

印象的なシーンや登場人物

運命の人に出会って時が止まるシーン! ロマンティック!

おなじみのティム・バートン監督らしいカラフルな装飾や機械的なギミックも要所要所に登場して楽しませてくれるし、「運命の人に出会って時間が止まる」、「一面に敷き詰められた水仙の花」などの場面はため息がでちゃうほどの素晴らしさ!

巨人と出会います。実在する(した)巨人病の俳優さんだそうです。

巨人や詩人、靴投げのジェニー、サーカス団長や下半身が結合した双子など、普通の映画では出てこないけど、みんなの頭の中に住んでいるキャラクターが目の前にどんどん現れちゃいます。

おとぎ話と現実のコントラスト

どうして靴がぶら下がっているのかは観てのお楽しみ。

父エドワードの若い頃のホラ話のような回想のシーンと、現代のシビアなシーンが交互に描かれているのがグっと観るものを引きつけます。

はいブシュミ!ここでもいい味だしてます!

若い頃のシーンは色が鮮やか、対照的に、現代のシーンはシックに描かれていたり…。この見事な対比、現実感とのめまいのするような切り替え、既視感はティム・バートン節が炸裂。絵本の中に迷い込んでしまったような感覚が楽しいです!

本当の話とは…?

お父さん軽い!

偶然倉庫で目にした父親の過去の記録、そこから本当のことが紐解かれていくところが感動! 「父親の実話」と前半の「ホラ話」のコントラストがひとつに重なり合っていきます!

打ち解けない親子は、わかり合えるのか?

息子の視点でファンタジーの世界を彷徨った後のフィナーレ。「仲の悪い親子が仲直り」という表面的なテーマ以上の、大切な何かを心に残してくれる作品です。

ビッグ・フィッシュ
原題:「Big Fish」2003年 アメリカ
監督:ティム・バートン
脚本:ジョン・オーガスト
製作総指揮:アーノン・ミルチャン/ダン・レビン/ジョシュ・マクラグレン/メアリー・マクラグレン 
キャスト:ユアン・マクレガー/アルバート・フィニー/ビリー・クラダップ/ジェシカ・ラング/ヘレナ・ボナム=カーター/アリソン・ローマン 他

アートディレクター。甘い物とコメディ映画が大好き。モーション・グラフィックと3Dモデリングを勉強中!

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