<ストーリー>
10歳のオギーは、遺伝子の疾患で、人とは違う顔で生まれてきた。一度も学校へ通わずに自宅学習を続けてきたオギーだが、母親のイザベルは夫の反対を押し切って、学校に行かせようと決意する。
学校に通い始めた彼は同級生と仲良くしたいと願うが、じろじろ眺められたり避けられたりする。しかし彼の行動が、周囲の態度を少しずつ変えていき……。
意外な構成で進んでいくストーリー

ハンディキャップを持った主人公、オギーが苦難を乗り越えて成長する物語。と、思いきや、初めての友人ジャック、姉のヴィア、更にヴィアの親友であるミランダへと視点が切り替わっていきます。
ここがこの映画のキモで、「苦しい試練に主人公と一緒に立ち向かわなくちゃいけないんだ…」というプレッシャーから、観ている人を解放してくれるのです。ストーリーから湿度が消え、カラっとした物語だと気づいたときのなんともいえない安堵感。。
STAR WARSファンも観るべし

小学生の男の子の話題といえばスター・ウォーズ。話の中でしばしば会話がでてくるのですが、この映画ではそれがいい意味で行き過ぎちゃってます。
オギーが後ろ髪を小さく三つ編みにしてパダワンのマネをしているなんてのは序の口。ちょっとびっくりするシーンもあったり!
魅力的な脇役たち(特にお母さんとお姉ちゃん!)

校長先生(マンディ・パティンキン)もお父さん(オーウェン・ウィルソン)も素晴らしいですが、子供を心配しながらも優しく見守る(あの「プリティ・ウーマン」のっ!「エリン・ブロコビッチ」のっ!)ジュリア・ロバーツがさすがの貫禄。
そして、この物語をしっとりと人なつっこい質感にしているのが、お姉ちゃんのヴィア(イザベラ・ビドビッチ)。もう一つのストーリーの主役です。自分に脚光があたらないという苦悩に共感しちゃうし、いい台詞もたくさんあるし、愛くるしい笑顔と物憂げな演技の緩急にキュンキュンきちゃいます。もちろん活躍するシーンもあるのでご安心を!
オギーの周りにいる人たちの苦悩を描いていくことで、ハンディキャップという重いテーマの壁を乗り越え、人と人とのつながりを描き切っている、とても爽快な作品です。
原題:「WONDER」 2017年 アメリカ
監督:スティーヴン・チョボスキー『ウォールフラワー』
原作:R・J・パラシオ
脚本:スティーヴン・チョボスキー/スティーヴ・コンラッド/ジャック・ソーン
キャスト:ジェイコブ・トレンブレイ/ジュリア・ロバーツ/オーウェン・ウィルソン/マンディ・パティンキン/イザベラ・ビドビッチ
公式サイト http://wonder-movie.jp