<STORY>
1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くように。幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼” とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく…。
クリーチャー × ロマンス

可愛い初恋/エロティックロマンス/クリーチャー/バイオレンス/ハリウッドミュージカルへのオマージュ/などなど、要素を挙げると支離滅裂だけど、これを見事につなげるのが鬼才ギレルモ・デル・トロ!

種を超えたラブストーリーが進むにつれ、抑圧されている時代背景や声が出せないというハンディキャップさえもどこかに飛んでいっちゃう、素敵なトリップ感を味わえます。イライザと彼との間に一切コミュニケーションがないから、サイレント映画を観ている感覚にもなってなんだか素敵!
オタク監督こだわりの逸品

デル・トロ監督は「シェイプ・オブ・ウォーター」が大好きすぎて、「パシフィック・リム」の続編の監督も断ったし、「ミクロの決死圏」のリメイクも遅らせて、最低6カ月は本作のプロモーションに専念したそうです。

監督の脳内世界をぶちまけた「完全オリジナル作品」。オタク監督自らが、一から創造した世界観は、舞台美術、演出や小道具にいたるまで、重厚な絵画を観ているような気分。Youtubeの予告編は見始めるとすぐ傑作だとわかる、生涯心に残る美しさです。
理想の愛のカタチ!

イライザのセリフ「彼は不完全な私じゃなく、ありのままの私を見てくれる」というのは理想の愛のカタチ。共通言語がなくても心は通じ合える、それこそが本当に最強なんだ!ということを教えてくれている映画です。

自分と違うモノを排除しがちな現代社会において、言葉なして通じ合い、愛し合うというストーリーは、本当に心に響きます。ダラダラした恋愛映画ではなく、サスペンス的要素もあって展開も早いので、ラブ・ストーリーが苦手な人も楽しめると思いますよ!
シェイプ・オブ・ウォーター
原題:「The Shape of Water」2018年 アメリカ
監督:レルモ・デル・トロ
キャスト:サリー・ホーキンス/マイケル・シャノン/リチャード・ジェンキンス/ダグ・ジョーンズ/マイケル・スタールバーグ
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