<STORY>
アフリカ系アメリカ人のクリスは、白人の彼女、ローズの実家に招待される。不安とは裏腹に、手厚い歓迎を受けるが、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。その夜、怪しい管理人と家政婦を目撃し、動揺するクリス。亡くなったローズの祖父を讃えるパーティには多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで…
脳がフリーズしてしまうストーリー

序盤はよくあるオシャレな恋愛映画風。それがだんだんと何かとんでもないことに巻き込まれているのでは、という空気に…。しかし、一体何が起こっているのかハッキリとは分からない! でも目が離せない!

うすく漂うコメディ感。「この作品、笑わせようとしてる? 怖がらせようとしてる?」客観的視点で冷めてみても、その時点ではもう逃げられなくなっているのです。
メガホンを取るのはコメディアン

メガホンを取るのは、コメディアンのアメリカのお笑いコンビ “キー&ピール” のジョーダン・ピール。なんと初監督作品。低予算作品なのに大ヒット! キャスト&監督はノーネームなのに、のきなみの高評価でアカデミー賞脚本賞です。

主人公が、心の深層に眠る少年時代にあるトラウマをえぐり出される様を、シュールなイメージで映像化。その後の怒濤の展開、そこにもねっとりとした生々しさがみなぎりまくり。映画でしかできない新しい表現を体で感じることができます。
知的で細部まで練られた社会批判

見所は「差別主義を通してのミスリード」の秀逸さ。「この人は差別的にこの言葉を使ってるんだな」と思っても、実は別の意味があったり。壁にかかった写真や、何気ないシーンに綿密に練り込まれたメタファー、情報量の多さも魅力のひとつ。見逃していいシーンは1つもありません。
ということで、是非2回以上のリピートを強くおすすめします。ストーリーを把握した後で、各キャラクターの何気ない仕草やセリフ、服装などをよくチェックすると「うわ、ヤバッ…」と絶対なるはずっ!
ゲット・アウト
原題:「Get Out」2017年/104分/アメリカ
監督・脚本:ジョーダン・ピール
キャスト:ダニエル・カルーヤ/アリソン・ウィリアムズ/ブラッドリー・ウィットフォード/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/キャサリン・キーナー
